日本の高齢化率は、2023年時点で28.6%と世界トップクラスであり、今後も増加の一途をたどると予想されています。そのため、国内の介護需要は高まり、介護人材不足も深刻化しています。
こうした状況を背景に、介護事業者の海外進出が活発化しています。日本式介護の質の高さが評価され、アジアを中心に海外展開する企業が増えています。
進出国・進出形態
介護事業者の海外進出先は、主にアジア諸国です。その中でも、中国、タイ、ベトナム、マレーシアなど、人口が多く経済成長が著しい国を中心に展開しています。
中国
中国は、世界最大の人口を抱え、高齢化率も急速に上昇しています。そのため、介護サービスに対する需要が拡大しており、介護事業者の海外進出先として注目されています。
中国での進出形態としては、現地法人の設立や現地企業との合弁事業が多いようです。また、フランチャイズ展開も行われていますが、現地の法規制や文化の違いが大きいことから、慎重な対応が求められています。
タイ
タイは、経済成長が著しい東南アジアの中心国です。また、高齢化率も上昇しており、介護サービスに対する需要が拡大しています。
タイでの進出形態としては、現地法人の設立や現地企業との合弁事業が多いようです。また、フランチャイズ展開も行われていますが、現地の労働環境やコストの違いが大きいことから、コスト面での検討が必要となります。
ベトナム
ベトナムは、人口が多く、労働力コストが安いことから、介護事業者の海外進出先として注目されています。また、高齢化率も上昇しており、介護サービスに対する需要が拡大しています。
ベトナムでの進出形態としては、現地法人の設立や現地企業との合弁事業が多いようです。また、フランチャイズ展開も行われていますが、現地の法規制や文化の違いが大きいことから、十分な調査と準備が必要となります。
マレーシア
マレーシアは、経済成長が著しい東南アジアの国です。また、高齢化率も上昇しており、介護サービスに対する需要が拡大しています。
マレーシアでの進出形態としては、現地法人の設立や現地企業との合弁事業が多いようです。また、フランチャイズ展開も行われていますが、現地の労働環境やコストの違いが大きいことから、コスト面での検討が必要となります。
進出形態
大きく分けて以下の3つがあります。
- 現地法人の設立
- 現地企業との合弁事業
- フランチャイズ展開
現地法人の設立は、事業のコントロールがしやすいというメリットがある一方で、初期投資や人材育成などのコストがかかります。現地企業との合弁事業は、現地の知見やネットワークを活用できる一方で、経営権の譲渡や利益配分の調整などの課題があります。フランチャイズ展開は、初期投資や人材育成のコストが抑えられる一方で、フランチャイズ本部からの指導や管理が必要になります。
日本式介護の評価
日本式介護は、利用者の自立支援を重視する考え方に基づいています。
また、利用者への思いやりや気配りを大切にする、温かい人柄の介護士が多いことも特徴的です。これは私が介護現場で働く中でも感じてました。
こうした日本式介護の質の高さが、海外で評価されています。
特に、アジア諸国では、高齢化が進む一方で、介護人材の質やサービス水準が低いことが課題となっています。
そのため、日本式介護の導入は、高齢者のQOL(生活の質)向上や介護人材の育成につながると期待されています。
課題
介護の海外進出には、沢山の課題があります。
現地の文化や習慣の違い
現地の文化や習慣は、日本とは大きく異なります。そのため、現地の文化や習慣を深く理解し、適応することが重要です。
例えば、中国では、老人を敬う文化が根付いています。そのため、介護施設では、利用者の家族や親族を積極的に受け入れるなどの配慮が必要となります。
言語の壁
アジア諸国では、日本語を話す人材が少ないため、言語の壁が大きな課題となります。そのため、通訳や翻訳の活用などが必要になります。
また、介護施設では、利用者とのコミュニケーションが重要となるため、介護士が現地語を習得することも求められます。
法規制の違い
各国には、介護サービスに関する法規制が異なります。そのため、法規制の違いを把握し、適切に対応することも重要です。
例えば、中国では、介護施設の運営には、政府の許可が必要となります。また、ベトナムでは、介護士には、国家資格の取得が義務付けられています。
まとめ
日本式の介護を世界に発信していく事はなかなかすぐにはできませんが、日本の介護が海外へ出ていけば世界中の方がよりよい介護を受ける事ができると考えます。
日本は誇りを持って、日本の介護を輸出するべきですね!
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